私の履歴書:ピーター・ドラッカー

日経新聞の「私の履歴書」の2月は、ピーター・ドラッカー。「マネージメントを発明した男」とか、「ソビエト連邦の崩壊を予測した」とカリスマ的に語られるが、実は現状継続の固定観念に囚われずに冷静に現在を分析した結果、必要なものを語り、予測されることを指摘した‥だけなのかも知れない。それにも関わらずドラッカーが傑出しているのは、いかに「現状継続の固定観念」からの脱却が難しく、「冷静に現在を分析した結果」と向き合うことができないかなのだと思う。
その意味で履歴書を見ると第一次大戦の激動を物心付いてから体験しているという経歴が大きいのかなという気がする。彼は「現状継続は何の根拠もない幻想である」ことを何度も身をもって体験してきているのだろう。
マネージメント系のボードゲームでは状況分析した上で思い切った戦略を取れる人でも、実際の会社生活の中で同じことをムーブメントとして起こせる人は少ないだろう。どちらかと言えば昨日の延長線で今日を過ごし、明日も今日の延長線上にあることを期待する。もしくは、明日が今日の延長線上にないという可能性を直視するに耐えないのかも知れない。