ブルーvsグレー と バトルクライフリーダム

bqsfgame2006-12-07

両方を立て続けにソロプレイした感想として、両者は同じカードゲームという仕組で同じ南北戦争キャンペーンと言う題材を扱っていながら、全然、システムも雰囲気も違うゲームになっていると感じた。
端的に言えば、「ブルーvsグレー」は、ボードウォーゲームに近い構造と雰囲気を持っている。マップを持っており、戦闘はマップ上の都市を経路に沿って争われる。部隊を場に展開しておき、これを用いて戦闘比を計算してCRTでダイスを振って結果を判定する。
他方、「バトルクライフリーダム」は、非常にカードゲームらしいカードゲームである。戦闘は、両軍が手札から交互にイベントカードをプレイして彼我の優位を競い合って解決される。似たようなカードウォーゲームとして違いもあるのだが「ライズオブルフトヴァフェ」シリーズや「ウィーザピープル」と「ハンニバル」の戦闘解決バトルカードシステムを考えてもらえばイメージが掴めると思う。実際はスプリットカードな上にイベント相互の制約条件が複雑で、もっとトレーディングカードゲーム的である。ウォーゲーマーにはあまり馴染みがないかも知れないが、WOTCの初期作の「JYHAD(VAMPIRE)」あたりにプレイ感や考えることが意外と近い気もする。マップは存在せず著名な戦場を東部と西部に分けてまとめた戦場カードのデックだけがあり、その中から制約条件に従って戦場を選び、また拒否権を行使するという非常に抽象的な地勢の取り扱い方をしている。
こうした差異があるために、ゲームプレイの雰囲気も大きく異なっており、またプレイ負荷もかなり違っている。「ブルーvsグレー」のカードは単機能であり、一つの目的にしか使えないので手札の範囲でできることは自ずと見えてくる。このため考えやすく、プレイ時間はそれほど長引かない。対して「バトルクライフリーダム」のカードは、3つの機能を持つスプリットカードで、3番目の機能は単純なのだがそれでも2つの機能を読んで理解する必要がある。しかも、戦闘の開始直前にまとめて多数の手札を引いてくると言うシステムになっており、結果として10〜20近い手札の機能を一斉に読んで理解して戦闘の指針を立てて戦闘することになる。そのため、一回の戦闘がちょっとしたミニカードゲームの様相を呈しており、全体のプレイ時間がどのくらいになるかはちょっとソロプレイした範囲では見えてこなかった。目安として示されている3時間と言うのは、個人的にはとても無理な相談だと思った‥(^_^;
以上を踏まえた上でリコメンデーションを書くならば、南北戦争の全局的な展開を見ることのできるボードウォーゲームライクな手軽なカードゲームとして「ブルーvsグレー」は多くの南北戦争に興味のあるボードウォーゲーマーに進められる。対してトレーディングカードゲーム的な駆け引きに満ちた戦闘の連続を醍醐味と感じ、大量の英語カードをスラスラ読んでサクサクプレイできる相手がいるのならプレイ自体は「バトルクライフリーダム」の方が面白いだろう。
BGGの評価も「バトルクライフリーダム」の方が高いが、プレイ回数を見ると「ブルーvsグレー」の方が追い越してしまった。そこらへんの結果数字が両者の性質の違いを物語っていると言えよう。
画像は両ゲームのカード。
左はブルーvsグレーのマクレラン。機能は左上のいくつかの数字だけで、残りはヒストリカルフレーバー。このシンプルさがプレイしやすさを産み、フレーバーの多さが南北戦争に歴史的興味を持つ人には嬉しいと思う。
右はバトルクライフリーダム、3スプリットになっていて、上は相手の砲撃攻撃をキャンセルする対抗砲撃、中央は北軍が勝利条件都市を陥落させた直後にセカンドデックでのみプレイできる1864年大統領選挙という特殊イベントで条件を満たしてプレイできると北軍にコマンドポイントを2追加、南軍からは2減少させるという決定的なカード。一番下の反転している一行の部分はほとんどのカードに共通の正面攻撃で攻撃力を1だけ増加させるという能率は良くないが汎用性のあるイベント。