ブリテンスタンズアローンを入手[再入手]

bqsfgame2007-02-12

「東部戦線」、「レジェンドビギンズ」などに続いての再入手もの。
前者はコンパクト版、後者は日本語版になったので入手理由もあろうと思うが、今回は元のものと全く同じものを入手。
出版年は1994年で、既に13年も前のものになる。年を取る訳だ‥(^_^; KOSさん、FALさんらがCADETで合い次いでプレイし、わたしも最後に乗せてもらった。シーライオン作戦は仮想戦だが、ナチスドイツがもしWW2に勝っていたら‥というオルタネートヒストリーの鍵を握る仮想戦。そして、陸海空の三軍の連携作戦であるという意味でも興味深い。B級SFゲーム的価値も高く、それでいながら一定のヒストリカルシミュレーション性も併せ持つ稀有なゲームだと言えよう。
手放してしまったのは引越しを控えてウォーゲームは共和制ローマ南北戦争スターリングラード市街戦だけに絞ろうとしたときに、そのいずれにも該当しなかったため。また、プレイタイムがかなり長く、陸海空のコンバインド戦なのに加えて、インターセプトを相互にしていくチェスムーブ的なシステムのため1ターンのプレイタイムが非常に長い。しかも第一ターンは準備された上陸作戦の発動で特に長い。結果としてCADETでも4〜6時間くらい掛けて結局第1ターンしかプレイできないという顛末が連続した。そんなこともあって手放した。
ただ、その後、10年以上を経て思うのだが、今でも陸海空の三軍の統合により大戦の帰趨を定める大作戦をディティールまで見え、全要素をカバーしてプレイアブルにまとめた作品としては本作を凌ぐものは現れていない。結局のところ、本作は一つのテーマの金字塔となったと言える気がする。そして、そのテーマはB級SFゲームとヒストリカルシミュレーションの両方をプレイする自分にとっては見逃してはいけなかったと思い直した。
まだルールを再読していないのだが、陸海空のいずれも基本的なインターセプトのシーケンスは同じで、サブルーチン構造を簡明に記述できるフローチャート化してくれれば良かったのにと思った記憶がある。ルールの分量はカバーする範囲が広いので必然的に多いのだが、書き方を工夫してくれていればずっと易しく出来たはず。この不満を感じるゲームとしては、エリック・リー・スミスの「モスビーズレイダース」とこの作品が双璧だと思った。
デザイナーのウェルバネスは古くはAHの「シーザー・アレシア」の作戦研究でも知られるBNF。コマンド英語版の「インチョン」でプロデザイナーデビューし、当初は本作もXTRからアナウンスされていた。しかし、GMTに転じて出版。その後のXTRの経緯などを見ると正しい判断での出版だったと思う。ファンとして研究熱心だっただけあってクレバーなシステムデザインのできる数少ないデザイナーの一人だと思う。惜しむらくはデベロッパーに恵まれていれば本作は不動の傑作の位置を手にしていただろうと思う。