定量的な議論が導く様々な洞察

ファンタジーゲームをコスト管理のように論じることに批判的な向きもあるのは承知しているが、ゲームプレイで良い手を選択するためには定量的な議論は非常に有意義だと思う。
上記の計算の個別実例として、デック中でもっとも重いカード「Evil Genius」について考えてみよう。このカードの発動コストは25である。効果は毎ターンもう一枚オーバーロードカードを引けるようにすることである。
上記の計算で出たように、追加のカード1枚の期待値はターンあたり2.44であるから、このカードのペイアウトタイムは11ターンである。
つまり、このカードが手元にあって発動できる見通しがあるなら、発動後にゲームが11ターン以上続くという見通しがあるならペイアウトすると期待できる。逆に言えば、それ以下ならキャッシュインして5トークンに替えてしまった方が良いということになる。
もちろん当面の状況で是非ともプレイしたいカードがあり、すぐに起動してスレットトークンの在庫をなくしてしまうことが得策でない場合もあろう。囲碁で言えば大場より急場というところか。
とまれ、こうした比較基準をきちんと考えてプレイしていれば、思い込みによって明らかに悪い手を打つことは少なくなるので、オーバーロード側としては手強いオーバーロードを演じるのに資することになるだろう。