これは意外な掘出物だったかも知れない。
言ってみれば「ロボラリー」と同じくカードプロット式のレースゲーム。
しかし、1枚のカードで3〜6ヘクスも移動できるので、スピード感覚が全然違うのだ。
「ロボラリー」は、1ヘクス移動するのに1枚、ターンするのに1枚と言ったような具合だったので、本当にスローモーで、1ターンで3ヘクスくらい動くのがやっとで、それが終るとまた全員で長考するプロットフェイズ。スピード感のなさは深刻だった。
それに対してこのゲームでは1ターンで10ヘクス以上の移動が実現するので、どんどん進んでいく。大き目のコースボードも、プレイアブルな時間で1ラップをクリアすることができ、合計3ラップの標準ゲームが極めて現実的な時間でプレイ可能になっている。
このゲームをプレイしてみて、「レースゲーム」たるもの、「レース」のスピード感を失ってはいけないのだと痛感させられた。
少し物足りないのは、1デックに1枚しか入っていないメジャーイベントでしか、お楽しみのスペースアメーバやブラックホールが登場しないこと。今回は4人想定でソロプレイしたが、デックの消費速度からすると、1ゲーム中に2枚くらいしか引かないのではないだろうか。そこが少々賑やかさには欠けるかも知れない。しかし、これもゲームがスピーディーに進行し、ちゃんと終わりまでプレイできるということには貢献している。