×悪魔の機械を読む

bqsfgame2007-07-24

ジーターの1987年のスチームパンク
申し訳ないのだが、「ホムンクルス」は途中で挫折したし、本書は比較的読みやすく無事に終わりはしたが、それほど魅力は感じなかった。
子供の頃に「宝島」を読んでワクワクした口なので、自分ではこういう冒険活劇は好きなつもりでいたのだが、「幻影の航海」あたりも含めて、最近、読んだものはいずれもあまりピンと来ず、終わりまで読むのが苦痛に感じることが多い。
ラッカーの「空洞地球」あたりからが合格点に入るかと思うのだが、やはりSF的なセンスオブワンダーが入って来ないと、単なる冒険活劇だけではダメなのだろうかと思ったりもする。こちらの嗜好の問題で、本の側が特別悪いとは思わないのだが。
本書は怪しげな発明を金持ちに売って生業を立てていた父の跡を継いだ、才能のないダメダメな息子が父の発明や人脈を巡る陰謀に巻き込まれる物語。水棲人は出てくるわ、タイムマシンもどきは出てくるわ、地球は破壊されそうになるわで、冒険活劇としてのガジェットは満載。ストーリーもいろいろと錯綜するのだが最後にはきちんと謎解きされて整合する。冷静に第三者的に見れば、スチームパンクとして非常に良く書けていると思う。だが、読んでいて途中では「だいたいわかったからもういいかな」とページを閉じて本を置きたくなること幾度も。自分の好みとミスマッチなのだと思う。