奥付を見たら、１９７７年の第６版でした。
買ってすぐ読んだきりですから、実に３６年ぶりの再読です。
このシリーズは再版されて、今はもうちょっと芸のあるタイトルが付いていますが、当時は冒険の惑星１〜４と言う冴えないタイトルでした。表紙も芸がなくて、どうして内容に見合う魅力的なパッケージングをしなかったのか惜しまれます。
個人的にはヴァンスの中では魔王子シリーズより好きです。
第１巻の原題はチャッシュの都市なのですが、実際にはチャッシュの都市に辿り着くのは２／３を過ぎてからです。
本書はまず主人公の宇宙船が撃墜され、救命艇で不時着。その救命艇をチャッシュに回収されてしまい、自分は無線機の半分だけ持って惑星上を放浪する所からです。
最初に出会うのは人類の末裔と思しき紋章人。紋章に役割や性格があり、その紋章を着けると役割だけでなく性格までコントロールされると言う不思議な文化です。此処で主人公は、この惑星での最初の仲間を得ます。
続いて無線機の半分が示す方向に宇宙船を探しに旅に出ます。そこで女人秘教の一団が儀式のために美女奴隷を連れて歩いているのに遭遇。放っておけばいいものを冒険物語のお約束で助けようとしてトラブルに巻き込まれます。
その後、どうにかして宇宙船を回収したと思われるブルーチャッシュの街ダディッシュの近くにあるペラへ。しかし、そこは盗賊が支配する荒廃した街で、止せば良いのに余計なお節介をして盗賊を倒して民主的な街作りを始めます。
ブルーチャッシュの街に潜入して宇宙船を発見しましたが、奪回は容易ならず。結局、ペラの住民から市民軍を編成してブルーチャッシュを迎え撃ちます。さらに、対立するグリーンチャッシュを利用して勢力を削ぎ、最終的にダディッシュの街を陥落させ宇宙船を奪回しますが、既に重要部品は分解されてしまった後でした。
この状況からどうやって地球に帰るのか？ それとも帰らずに此処で一旗上げるのか？（すでに一旗くらいは上がっている気もしますが‥）
