カーを見る

bqsfgame2007-10-04

シルクドゥソレイユのショーをどれか見たいと思っていたのだが当日券はなし。しからば明日はと聞いたところ、カーと、ミステアがあり、評判の大きいカーの方を選んでみた。
平和な王国の王子と王女が、悪に唆された部族の襲撃を受けて落ち延びる物語。英語などわからなくても見ているだけでストーリーは分かる。
なにが凄いと言って大道具まわりが凄すぎる。セリなどという次元ではない。メインの舞台が自在に傾斜回転、分割合体を繰り返す。あるときは王宮、それが突如として出帆する帆船の甲板となり嵐に大揺れ最後は沈んで行ってしまう。
そうかと思えば砂丘になり傾斜して登場人物ごと大量の砂が奈落へ流れ落ちていったり。また、垂直に屹立した絶壁になったかと思うと、影絵を写すスクリーンになったりもする。変幻自在の舞台ワークだ。
ただ、確かに凄いのだが、逆に大道具の動きが凄すぎてしまって、サーカスとしてのヒューマンアクションが小さく見えてしまうのが難点。率直に言うと期待したものとは少しズレがあった。
中では印象的だったのは意外にも落ち延びた王子と忠臣が手で演じてみせる影絵。大きなスクリーンに映し出されるのだが、驚くほど完成度の高いウサギ、狼、鳩などが次々に表れる。いちばん細かい芸がいちばん大きく映し出され、結果としていちばん印象に残ってしまうのは少々皮肉だろう。
もちろん傾斜した状態で回転する危険な舞台の上での戦闘シーンは凄いと思うしさすがなのだが、どこかTVゲームめいて作り物チックに見えてしまうのは、舞台も会場も大きすぎるからかも知れない。サーカスはもっと小さな会場でもっと間近で見るものなのかも知れない。