☆なぞの転校生を読む

bqsfgame2008-02-11

眉村卓さんの傑作ジュブナイルSF群の一つ。
ドラマで見たもの、本で読んだもの、似たようなタイトルのものも多くどれがどれやら渾沌としてきたので、少しまとめて読み直して整理しようかと思い、古本屋でまとめて買ってきた内の一冊。
読んでみたのだが、これはドラマでは見たことがあるが、本で読むのはどうも初めてだった。隣に越してきた妙に完全無欠の転校生‥というだけでは、どれの話しだか区別が付かないが、実は彼らはパラレルワールドを核戦争で破壊しない住みやすい世界を求めて彷徨っている次元ジプシーだという話し。侵略者ものではなく難民ものなのだ。
去って行ったかに見えた彼らが難民として戻ってくるエンディングは、いささか教条主義的な部分も感じるがストレートなメッセージにいやみがないのが眉村作品が時代を越えて読むに耐える所以だろうか。
もう一作セットで収録されている侵された都市は、30年後にタイムスリップして着陸した飛行機から降りたところは宇宙人に侵略されてしまった東京という話し。眉村作品は自分の力で考え自分の力で道を切り開くべしというメッセージで終わることが多いのかなという気がした。
次は「ねらわれた学園」を読んでみようかと思っている‥(^o^)