マクロ経済を読むトレーニング:消防隊不在で全力延焼中

しばらく間が空いてしまった。
入院すると時間だけはたっぷりとあるので久しぶりに。
日経ヴェリタスが創刊されたので、我が家も日経新聞朝日新聞に切り替えて、経済情報はヴェリタスだけにしてみた。悪くはないと思う。もっとも「悪くはない」という評価はレンジが広すぎるのでそれほど良くもないとも言える。
5/25号を読んでいて思ったのが上記のこと。
昨年秋から資源インフレが着実に進行し、原油だけでなく、鉄鉱石、トウモロコシ、レアメタルなどいろいろと上がり続けている。あちらこちらで史上最高価格が更新されており、さすがに異常だ。
どうしてこんなことになったのだろうか。
ヴェリタスを読んでいて、以下のようなメカニクスがあるような気がしてきた。
1)FRBや日銀の金融緩和
2)上記1の低利で巨額な資金を借りて資源先物市場に投資すると、もっと良い利益率が得られるので鞘を抜ける
3)目先の景気の腰折れを恐れる金融当局は一向に利上げに転じる気配なし
4)さらに2が進行し、投資信託化して個人販売までされ、個人マネーも引き寄せてさらに延焼中
この話しは皮肉な側面があって、事態の改善には時間が掛かりそうな気がしてきた。
元来、金融当局や個人はインフレを非常に恐れており、インフレと戦う立場の人たちだ。ところが、その人たちが全力でインフレに加担しており、誰もインフレと戦っていない状態になりつつある気がする。
そうなってしまっては、さすがにあちらこちらで市場最高価格が更新され続けるのも無理はない‥というわけだ。