北軍の成功事例

上記の考えに立って北軍の勝利事例を見ると、半島戦役の最後にマルヴァーンヒルでマクレランが南軍の追撃を跳ね返した戦闘や、ゲティスバーグ戦のクライマックスでミードがピケットチャージを跳ね返した戦闘は、塹壕戦の威力を発揮した成功事例だったのではないだろうか。
そう考えていくと、リンカーンの評価が低かったマクレランとミードは、実際には現場レベルでは有能であったということにはならないだろうか。言い換えれば、政治的な必要に追われていたとは言え、現場レベルの状況の変化を正しく理解し、それを将軍人事に反映できなかったリンカーンの方に問題が多かったのではないかと言う気もする。もちろんリンカーンに対して説明責任を果たして状況を理解させられなかったという点で、マクレランにも非があるのは否定できないのであるが。
[つづく]