抵抗は無益に非ずを入手

bqsfgame2009-01-24

ワルシャワ蜂起と言うと、ジョン・プラドスがデザインしたS&T107号(1986)のソビエト軍接近に伴う1944年8月のの市民軍蜂起が有名ではないかと思う。
本作は、そちらではなく、1943年4月のユダヤ人ゲットーでの蜂起を扱っている。
ナチスドイツがユダヤ人を迫害したことは多くの人の知るところであり、ワルシャワではゲットーの狭いエリアに多数のユダヤ人を押し込めていた。その中から収容所送りが選別されていったわけだが、当初は収容所送りは強制労働だと思っていたユダヤ人たちに、実は地獄への片道切符だという情報がもたらされ、結果としてゲットーは収容所送りに全面的に抵抗して蜂起することとなった。
しかしながら、ソビエト軍が接近していた44年でさえ蜂起は成功しなかったが、43年のゲットーのみの蜂起では事情はさらに悪く、抵抗は完全に粉砕されてしまった。
この事件は非常に悪名の高い事件で、ナチスユダヤ人迫害の一連の行動の中の一つに位置する。本作が最初にゲームとして発表された時に、コンシムでは抗議の嵐が沸き起こり、出版社は一時販売を停止し法律的な見解を取りに走ったというほどである。デザイナーのロールボウのサイトも炎上していたらしい。
最終的に本作は再度販売されることとなり、現在では普通に入手可能となっているが、そういった曰くつきのエピソードを扱う曰くつきのゲームとなっている。
本作をゲームとして遊ぶことの是非なども議論されており、個人的な意見を言えば人が命を落とす場面をゲームとして扱うという点では程度の差はあれ皆、罪深いウォーゲームというジャンルについて誰もが改めて再考する良い機会なのではないかと思う。
いずれにしても繰り返されてはならない歴史として、忘れられてならない事件であることは言うまでもない。