「行きてスパルタ人に告げよ」を入手する

bqsfgame2009-02-12

ATO誌の売切れ済みの号の一つである第6号。
付録ゲームは、ペルシャ戦争のテルモピュライの戦い
しばらく前に映画「300」となって一躍知名度が増した戦いを題材に、ロブ・マーカム先生がソロプレイゲームに仕上げている。
300人のスパルタ親衛隊が500万人のペルシャ軍と戦ったと言うのは大袈裟に過ぎて、実際には三日間の戦闘の始まった時点ではギリシャ側も5000近くの兵員がいたし、ペルシャ軍の数字は非戦闘要員も含んでいるので戦闘要員は200万人という。もっともこの200万人も当時の兵站能力からして過剰と見られ、本当のところは5万から20万の間くらいではないかと言われている。合意が形成されそうな数字は6万人くらいなのだろうか。そうだとして、開戦当初で12倍の戦力比となり、三日目の玉砕の始まる時点では相当に酷いことになっていたのであろうことは、どうやら誇張とばかりは言えないらしい。
このゲームの初版ルールは非常に評判が悪く、早々に二版ルールが後の号で提供され、また後の号を買う必要のないゲーマーにはサイトにてダウンロードサービスが実施され、現在もダウンロード可能になっている。
http://www.atomagazine.com/Details.cfm?ProdID=38&category=4
タイトルの「行きてスパルタ人に告げよ」は、ギリシャの9詩人の一人シモニデスが、マラトンテルモピュライの戦いで戦死したギリシャ戦士たちに送ったエレゲイア(哀歌)の冒頭の一節。
それにしても「戦争に非ず、殺人なり」もそうだが、ATO誌の戦争の悲惨さを前面に打ち出した文学的なタイトリングセンスは、個人的にはなかなかのものだと思うがどうだろうか?