ベリサリウス

bqsfgame2011-05-08

彼は皇帝ではない。
ユスティニアヌス帝に仕えた将軍であり、寡兵を持って幾多の勝利を挙げた。彼のギボンは、彼を「大スキピオの再来」とまで高く評価した。
ペルシャ戦での防御戦での才を皇帝に見出されてコンスタンティノポリス防衛司令官に抜擢された。日本で言えば羽柴秀吉みたいな出世譚である。
この役職で皇帝に対するニカの乱を手際よく鎮圧したことで、さらに評価を高めた。
北アフリカのヴァンダル、イタリアの東ゴートへの遠征でも、劣勢の兵力を率いながら勝利を収め続けた。しかし、人気の高すぎる将軍を警戒する皇帝に遠ざけられ解任されてしまう。
彼が再び表舞台に登場するのは、ブルガリ人が侵入し首都に迫った時である。自分で解任しておきながら危機になると呼ぶという皇帝の節操のなさも相当なものだが、ベリサリウスはこれも撃退し彼の軍歴に成果を一つ書き加えた。だが、凱旋した時、ユスティニアヌス帝はベリサリウスを無視したと言うから相当なものだ。
家庭については、こちらを参照のこと。
http://trushnote.exblog.jp/14529104/
野村克也監督が自らを語って、「ワシから野球を取ったら何も残らない」と言っていたが、ベリサリウスもまた「ワシから戦争を取ったら何も残らない」人物だったかに見える。
しかし、寡兵を持って勝利を収め続けた彼の用兵術は「間接アプローチ」の出発点だとも言われ、彼のナポレオンはベリサリウスに強く影響されたのではないかとも言われている。