セントラルコマンドは、典型的な現代戦ルールを持つゲームです。
SPI末期からVGに掛けて発表された現代戦ゲームの多くに共通することとして、
1:空軍が圧倒的に強力である
2:歩兵は叩かれ役である
3:にも関わらず政治的に重要な拠点を占拠するのは、依然として歩兵の仕事である
4:化学戦や電子戦が想定される
5:新時代の騎兵であるヘリコプターの開戦直後の活躍が想定される
と言ったところでしょうか。
1から3は、VGのガルフストライクが発売になった時の某誌のレビューの指摘でもあります。
このセントラルコマンドでも状況は同じです。むしろ、掩体になる地形の少ない中東では、もっと極端になっていると言っても良いかも知れません。
ソビエト軍のスホーイ、アメリカ軍のB52、A10などは、恐るべき対地攻撃能力を持っており、1/3から1/2くらいの確率で孤立した部隊を直接撃破できます。
ただし、対地攻撃をするには、まず空軍を敵部隊のヘクスに配置するのですが、これに対して相手は自分の空軍ユニットで迎撃することができます。そうすると、空戦力を比較して戦う空戦が実施され、空戦に負けた側は任務中止で帰還します。
対地攻撃力の高いユニットは普通は空戦には弱いので、そう簡単には対地攻撃は実施できない訳です。
ただし、本作ではソビエト空軍が量的な優勢を持っています。質的にはアメリカ空軍が優勢なのですが、量で負けているので全部を迎撃する訳には行かないのです。このため、ソビエト空軍は所謂オーバーロード作戦でアメリカ空軍を過負荷に追い込んでどこかで空襲を成立させることができます。
アメリカ空軍は以上のように劣勢ですが、質的には優位にあるので、ここぞと言う場所を決めれば、そこでの空戦には高確率で勝利できます。これによって、虎の子の拠点を守ることはできるのです。
この空戦ルールは、かなり上手く機能しているように思います。ただし、ソロプレイでは妙味がわかりにくいシステムなので、是非とも対戦してみて欲しい作品です。