ヴァンスコレクション

ジャック・ヴァンスは、昔から好きな作家の一人。
個人的な印象としては、大御所並みとは行かずとも日本でかなり評価の高い作家の一人と思っていた。創元の冒険の惑星、早川の魔王子と、2つのシリーズが終わりまできちんと訳出されていれば不遇とは呼びにくいだろう。国書から出た待望の短編集「奇跡をなす者たち」も高い評価を得たと思う。
とは言え、本格的なヴァンスフリークからすれば、この状況でもまだまだと思っているようだ。その筆頭格である中村融さんのサイトに、噂のヴァンスコレクションの内容がいつの間にか紹介されていた。
http://sfscannerdarkly.blog.fc2.com/blog-category-6.html
内容的には、長編(?)、連作集、長編の合計3冊。うーん、凄い。でも、もっと規模が大きくても良いんじゃないかとも思う。最初の長編は終末期の赤い地球の続編で中村氏が担当するそうだ。中村氏のアンソロジストとしての目利きぶりからしても、前作からしても大いに期待される。連作集はマグナス・リドルフもの。奇跡をなす者たちに収録されなかったココドの戦士、とどめの一撃が含まれる。底本に何版を使うのか示されていないが、再出版は望み薄だからミラー版で出してほしい気がする。長編はスペースオペラ。人を食ったようなタイトルで以前から気になっていたが、想像を越える人を食った作品らしい(笑)。早い刊行を望むと共に、大好評で迎えられて続刊となることを期待したい。もちろん私はノータイムで買います。