スペイン継承戦争を対戦プレイする5

プレイバランス的にはブルボン側に寄っているように思いますが、原因はとしては、
1:マールバラ公は史実では無敗だったが、本作ではそれほど強力でなく、戦う場面を間違えると無視できない確率で敗北する。
2:フランスの自動的勝利にオランダのアムステルダムオーストリアのウィーンがあり、これらを脅かされると対応に回ることになり自分のやりたいことができません。
3:フランスにはマールバラ級こそいませんが、オイゲン級の指揮官が、ヴァンドーム公、ヴィラール公、ベリック公と3人いるため、主導的な作戦を指揮できる指揮官数がフランスの方が多いのです。
4:2に加えて今回のプレイでもあったようにリスボンも同盟として対応せざるを得ない拠点です。3強以外にもフランスには、ブーフレール公、タラール公、マクシミリアン2世がいます。同盟軍にもバーデン辺境伯、アウウェルケルク卿がいますが、このレベルでも数の優位はフランス軍にあります。
5:史実ではフランス軍側は、指揮官は多いものの、逆に指揮官同士の対立が激しく総力を有効活用できませんでした。この点はイベントカードで一部反映されますが、プレイした感想としては史実より高い効率で活動できるように感じました。
以下、1回しか対戦していない段階でのジャストアイデアですが、
A:指揮官の対立のイベントカードは、両軍が使用できるようになっていますが同盟軍のみが使用可にしてはどうか? 場合によってはプレイ開始段階もしくは増援として同盟軍に支給してしまってはどうか?
B:ポルトガル軍の将軍、ミナス侯ルイス・デ・ソーサ辺りを同盟軍の(1−4)指揮官として、無名指揮官の代わりにユニット化してはどうか?
と思います。
Aについては、史実で重要なリーレ包囲戦でヴァンドーム公とベリック公が対立してフランスが敗北したことを反映するルールとして良いように思います。ただ、セットアップ時から持っていて、最初のリール攻勢で使うのが定石になってしまうのは奇妙な気もします。
Bについては、ミナス候は凡将なので無名指揮官のレベルと言うのがデザイナー見解だと思いますが、現状でベリック公が来るだけでバルセロナどころかリスボンまで危機に陥ってしまうのはどうかと思います。ただし、これはAのルールでフェリペ5世とベリック公の対立が反映されれば不要かも知れません。個人的には参戦国の一つ、ポルトガルの指揮官は欲しい気もしますが。
感想戦での提督さんのコメントとしては、
1:終始フランス側にイニシアチブを取られて後手後手に回ったのは良くなかった。
2:リエージュ攻勢を自重したが、結果から見ると最後までもっと良い状況で決戦する機会はなかったので、リエージュ攻勢に賭けた方が良かったのかも知れない。
とのことでした。
筆者の感想としては、ソロプレイで3回ともリエージュ攻勢から始めている通りで、結局の所、リエージュ攻勢がベストと思っています。ただし、負ける確率が1/3あり、負けた時のダメージは非常に深いのも事実です。リエージュで負けたら負け方にもよりますが、いきなり投了かも知れません。そうすると、このゲームは初手リエージュ失敗で即敗ゲームになります。ちょっとなんだなぁと思うのですが、「信長最大の危機」で信長が浅井・朝倉軍に挟撃されてゲームが終わるのと同じようなものでしょうか? そう言うアンバランスポイントから始まるようにゲーム設定を切り出していること自体の是非でしょう。