出張先で時間がまとまって余り、久しぶりに映画館へ。
今週限りになっていた「リンカーン」をちょうどやっていたので観てきました。
リンカーン大統領は重要人物なので、どこのエピソードを切り出しているのかと思っていました。
1864年暮れから翌年初めに掛けての憲法改定13条の攻防がメインなのですね。
アンティータム戦勝利の後に実施された奴隷解放宣言は、それ自体では法的な効力がなく、これに法的な根拠を与えるための憲法改正をリンカーンは準備していた。弁護士出身であるリンカーンらしい配慮だと言える。
しかし、1864年の暮れには南北戦争は既に最終局面を迎えており、憲法改正のタイミングは非常に難しくなっていた。
1:南北戦争が終結し、奴隷制度を維持したい南部が連邦に戻ってくれば、憲法改正は難しくなる。そのため改正を急ぐ必要があった。
2:それとは逆に奴隷制度を明確に否定した憲法を持てば、それは南軍にとっては受け入れにくくなり、結果として南部の降伏を遅らせる副作用が懸念された。
そんな状況の中で、憲法改正の根回しと、南部との平和交渉の狭間でリンカーンと、その関係者はギリギリの調整を最後までしていきます。
スピルバーグ作品と言うことで、エンターテイメント寄りの作りではないかと懸念していたのですが、予想以上の本格派で楽しめました。
特に下院議会のシーンが多く、様々な立場の下院議員たちが手厚く描き出されており、見応えがありました。
我々は歴史の結果から修整が実施され、南部も降伏したことを知っています。そうした結果を知っている立場で見てもドキドキさせられるのは、演出の勝利でしょう。
物語は暗殺まで進みますが、暗殺シーンの描き方は意外なものでした。
まだ上映している映画ですので、興味を持たれた方は是非劇場へ‥(^o^)