ＣＡＤＥＴ時代には、良く「アイアンクラッド」がプレイされた。その中でも海戦シナリオが好まれ、そうすると南北戦争よりエクスパンションキットに収録されていた太平洋戦争のシナリオが選ばれていた。ペルーの砲塔装備武装帆船ワスカルの登場するシナリオは、定番の一つだった。
ワスカルは、１８６４年にイギリスで建造された砲塔装備武装帆船で、当時のペルー軍の主力艦である。名称はインカ帝国の最後から二番目の皇帝ワスカルから採っている。宗主国だったスペインとの戦いを経験し、この経験を持ったミゲル・グラウ提督が太平洋戦争でも同艦を指揮した。艦の士気は高く練度も高かったと言う。このため、より強力な海軍を持つチリを相手に奮戦し、最終的に鹵獲されるまでペルーの海を孤軍奮闘して支えた。この孤軍奮闘ぶりが、ワスカルの人気のある所以であろう。
特にチリのエスメラルダ（エスエメラルダと言う表記も見るが、意味がエメラルドであることから来る誤認らしい）を沈めたイキケ海戦、最後に鹵獲されたアンガモス海戦が代表的な戦いである。
調べていくとＳ＆Ｔの表紙は、ワスカル号に沈められたエスメラルダである。アメリカでも、やはりワスカルの人気が高いのだろうか。
