夏ドラマのまとめ

bqsfgame2013-10-22

結局、最後まで見たのは、「半沢直樹」、「七つの会議」、「酔いどれ小藤次」、「ダブルトーン」、「あまちゃん」くらいでした。
半沢直樹」は、堺雅人が絶賛されましたが、個人的には悪役側の緋田康人石丸幹二香川照之らの大活躍があっての成功だと思いました。特に劇団四季で二枚目のイメージが強かった石丸の悪役ぶりは凄かったですね。いくらなんでも此処まで酷い上司はいないだろうと思いながらも、それでもリアリティが無くならない所で演じきったのは凄いと思います。人事部からの監査役でやってくる緋田の演じるアクの強い小木曽もコミカルとも言えるほどですが、人事にはいそうな感じだなと思わせる部分がありました。前半戦の大阪編を大いに盛り上げたのは、この銀行内部の二人の敵だったと思います。
全体としてはコミカルに過ぎると言うか、歌舞伎的な印象が強すぎて、ちょっとビジネスドラマとしてはどうかと思わなくもなかったのですが、面白かったのは間違いないです。
逆に、それに比べると話題になりませんでしたが、同じ池井戸作品の「七つの会議」は渋くてリアリティがあって怖いドラマでした。一人一人は少しだけ自分が大事などこにでもいそうなサラリーマンなのに、組織全体としては大変なことをしてしまうという群像劇。これは本当に怖かったです。録画を見たら順次消してしまったのですが、これは取っておくのだったと後悔しました。営業部長を演じた石橋凌と、万年係長を演じた吉田鋼太郎の二人がドラマを支えた印象があります。
蛇足ですが、後者に軍配を上げたい隠れた理由として、半沢の妻役の上戸が軽すぎてリアリティがなく、原島の妻役の戸田菜穂が適役だったと言うのもあると思います。「ええにょうぼ」の頃から好きな女優さんですが、ショムニ以降は悪役サイドになってしまってちょっと気の毒でしたから。
「酔いどれ小藤次」は面白かったですね。最終回が今一つだったのが大変に残念でしたが、その前の回くらいまでは申し分ありませんでした。時代劇不作の時代にあって、貴重なクリーンヒットだったと思います。このドラマは女優陣が全員魅力的だったのが特筆されます。中でも万八楼おこうを演じた鶴田真由はサブヒロインながらメインヒロインの比嘉愛美を食ってしまうほどに魅力的でした。「マルモの掟」の実の母親役に続いて彼女の近年のスマッシュヒットだと思います。逆に、そこが災いしていて、「どうして小藤次はおこうの気持ちに気付いてやれずにおりょうを選んでしまうのか」と言うフラストレーションが強かった気がします。それ以外では、野菜売りのおうずを演じた大後寿々花、おやえを演じた藤本泉と若手陣もそれぞれのポジションで申し分なく魅力を発揮。全体のレベルを引き上げてドラマを盛り上げました。これはDVDボックスを買っても良いかなと思うほどですが、本棚が一杯なので思案のしどころです。再放送があるなら、それを録画してダビングすれば良いか?
「ダブルトーン」は、梶尾真治作品。時間差を置いて夢で繋がった二人のヒロインが巻き込まれる殺人犯の恐怖。朝ドラ女優の一人、中越典子と、黒谷友香の競演でしたが、二人とも魅力的に演じました。結末は、きっとそうだろうなと思っていた通りでしたが、それでも直前の回までどきどきさせる演出も成功しており佳作と呼ぶにふさわしかったと思います。
夏ドラマではありませんが「あまちゃん」は、第1週から最終週までリアルタイム完走しました。こんなことは何年ぶりでしょう。近年、朝ドラは割と良い作品が続いていると思いますが、その中でも出色の出来栄えでした。ただ、最後の震災編は懸念したほどではありませんが、やや見ていて楽しさに欠けた印象はあります。それでも、鈴鹿ひろみが春子の前で歌うのは東京でなく北三陸でなければならなかったのだと思います。それにしても、薬師丸と小泉と言う昭和の二大アイドルの対決となり、なんかアイドル版「ゴジラキングギドラ」みたいでした。
一回で脱落したのは、「パワーゲーム」、「夫婦善哉」、「ガラスの家」、「ワンスアポンナタイム」。「七つの会議」、「ダブルトーン」などが良すぎたので、NHKの一連の新ドラマには大いに期待したのですが、期待しすぎましたか。
「パワーゲーム」は広告業界が舞台なので、やりようによっては面白くなりそうなものですが「半沢」と同時期だと大いに見劣りしました。「夫婦善哉」は、尾野真千子が孤軍奮闘しているのですが、どうも元々のお話しが面白くない気がしました。「ガラスの家」は大石作品ですが、今回は典型的な家庭崩壊ドロドロ系で魅力に欠けるように思いました。「ワンスアポンナタイム」は、前宣伝番組で関根勉と中川翔子が懸命に宣伝していたので1話だけ見ましたが、退屈で寝てしまいました‥(^_^;