正しくはプレイしようとしたかも知れません。
このゲームはS&Tのダブルイシューで、しかもクワドリゲームです。第二次アフガン戦争は、その中で最大規模のゲーム。で、カウンターシートの1番全部が相当するものと思い込んで、その分だけ切って持参したら、どうもユニットが足りない。カウンターシート2番の3列くらいまで第二次アフガン戦争だったんですね。それとは別に、イギリス軍のユニットをセットアップすると、これも数個足りない。どうもこれは雑誌のエラーらしいのですが、S&Tのエラータが出ていなくて気づきませんでした。で、いざプレイしようとしたら足りない物ばかりで‥(^_^;
それでも、大雑把な雰囲気くらいは判るだろうと、並べて動かしてみました。
で、感想なのですが、入門ゲームのアサンテと比べて、別にマップが大きくなってユニット数が多くなっても、特に新しい醍醐味はないように思いました。その理由は、このゲームのシステムでは行軍ルールや補給ルールの都合で、ユニットは大規模なスタックを編成して、道路や鉄道を経由して機動するからです。で、マップは広くなりましたが、所詮、19世紀のアフガニスタンの道路ネットワークは限られており、そこにある防御拠点の数も限られています。結果として、数個のスタックが、数本の進撃路を進み、数カ所の防御拠点で決戦することになります。で、その進撃距離が長くなり、各部隊の規模が大きくなる他は、そんなに最小規模のアサンテとテイストが違う訳ではないのです。
それだったら、ユニット数が多くなってセットアップや機動のハンドリングが大変になるデメリットの方が大きいので、規模の小さいシナリオで遊べば良いのかなと思ったりもしました。
一方で、同じシステムで大英帝国の様々な戦いをプレイできるので、それぞれの植民地での戦いの概略を史実として理解するツールとしては優れていると思います。その意味では、古くて入手困難ですが、オリジナルの太陽は沈まないのボックス版もちょっとだけ見てみたい気もします。あとS&Tで第一次アフガン戦争も出ているので、それもちょっとだけ気になります。
ただ、規模が大きくなると、補給ルールの影響が辛辣になるので、そこは大規模シナリオ独自の思考要素として浮上してきます。12ユニットまでなら、補給ユニットを随伴していれば補給できるのですが、これを越えると毎ターン補給ユニットを消費しなければなりません。
この時に毎ターンの移動能力が行軍表でダイスを振ってみないと判らないので、目的地まで何ターン掛かるか判らないのは悩ましい所です。
後は戦闘が本システムでは独特。19世紀は、小火器、砲兵の進歩が著しかった時代です。植民地戦争では正規軍と現地軍で世代の違う兵器があったりして、威力の差異が激しかったのが特徴です。このゲームでは、砲兵ラウンド、小火器ラウンド、白兵戦ラウンドの3段階に分けて戦闘を解決します。加えて、兵器ごとに火力をまとめて解決し、兵器ごとに使用列の決定水準に大きな差があるのが特徴です。結果として、最新鋭の砲兵器は額面戦力が2くらいしかなくても凶悪だったり、白兵戦兵器で50戦力くらいあってもCRTが振りきれなかったりと面白い知見を与えてくれます。
作戦を研究して勝敗を争うと言うようなタイプのゲームではありませんが、19世紀の戦争の実相についていろいろと示唆を与えてくれる作品だと思います。