×言語都市を読む

bqsfgame2014-08-28

チャイナ・ミエヴィルのローカス賞受賞作。
各所に書評が出回っていますが、これは個人的には難しすぎて訳が判りませんでした‥(^_^;
二つの発声器官による同時発声を前提とする言語を話すアリエテ人。そのアリエテ人とコンタクトする主人公。
言語が思考方法や行動指針を規定してしまう部分があるのは知られる所ですが、奇抜な言語を想像して、それを使うエイリアンの行動形態を描写する。そして、その言語革新による一種の革命を描き出すと言う極めて難しい力技作品です。
普通の作家が書いたら小説の体を成さないのではないかと思う設定ですが、新書版500ページの大作をミエヴィルは完走して見せます。
リーダビリティは悪くありません。読めばページは着々と進みます。でも、それで面白いのかと尋ねられれば、筆者は首を横に振ります。「都市と都市」に比べれば、まだしもイマジネートしやすいし、筆者の苦手な警察小説やハードボイルドでもないし‥(^_^;
うーん、でも楽しくないのですよ。その一言に尽きます。
「こんな凄いことが小説にはできるんだよ」と言う力技披露としては、確かに凄い。脱帽です。でも、それとエンターテイメントは両立してないですね。うーん。
ミエヴィルは、バス=ラグの続編が出てくるまで、ちょっとお休みしようかと思っています‥(^_^; はい、弱気です。