×ヴィーナスプラスエックスを読む

スタージョンの長編です。

国書刊行会の「未来の文学」第1期。

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うーん、これは全然ダメでした。

リーダビリティがすごく悪い。展開らしい展開がなく退屈。

一種のジェンダーものであることは間違いありません。

一種のディストピア小説でもありそうです。

その二つの組合せ方によっては、かなり興味深いものが出来上がりそうに思うのですが、成功していません。

一応、未来のホモサピエンスが絶滅した未来にサンプリングされた一人の男の目覚めから始まります。この世界の人類は、見た目は区別が付かないのですが、なんと両性具有だと言うのです。彼らはホモサピエンスの目から見て自分たちの社会がどのように評価されるかを主人公に問いかけます。

物語はかくして、この未来人類の社会を見学するツアーとして進んで行きます。後半から物語は見せ掛けとは違う真実を含んでいることが見えてきて、最後には「えーっ! それあり?」という終り方をします。

この結末のインチキ感も心証が良くありません。