☆火星ダークバラードを読む

bqsfgame2015-09-10

上田早百合のデビュー作です。
なのですが、ハルキ文庫版の全面加筆ヴァージョンです。
520ページの大作で、バリバリ正統派のハードボイルドです。
犯人護送中の怪事件で同僚二人が変死体で発見され、犯人は逃亡。自分は同僚の殺害犯と疑われて権力に追われる‥、うーん絵に描いたようなハードボイルドです。
筆者はハードボイルドは苦手なのですが、本書はスムーズに読めました。
リーダビリティは非常に高く、途中からは新人類テーマ、宇宙開発プロジェクトなどが登場して、SFらしいSFになります。そもそも舞台が火星ですしね‥(^o^)
火星SFファンなら是非読んで欲しいと思います。
近年の上田作品とは、少しタッチが違う気もしますが、そこはデビュー作ならではでしょうか。
それにしても、ここ最近、読む本が当たりばかりで、嬉しいけれども反動がちょっと怖いです。