南軍の北部侵攻

1862年夏から始まるゲームなので、南軍は史実の北部侵攻、ワシントン強襲を実施してきました。結論から言えば、どうも無理筋のようです。本ゲームは、補給ルールが厳しく、ターン終了時に補給切れだと、各ユニットが消耗チェックして50%の確率で1ステップロスします。補給は、補給源から連続した鉄道を辿り、鉄道最先端から3ヘクスだけ伸びるのですが、途中のヘクスは全て自軍支配かつ自軍ユニット占拠でなければなりません。この自軍ユニット占拠が厳しい。もともとが、スタック単位の機動で、指揮官の★マーク分のユニット数しか起動できません。リーでさえ★3つですから3ユニットで侵攻するので、さらに1ヘクスごとに1ユニット置いていけと言うのは無理な注文です。このため、リーの下に副官を置いてリーチットで同時機動するルールを使うのですが、これをやるとリーチットでしか進撃できず、東部戦線チットではできません。戦線チットでは、一人の指揮官しか機動できないからです。そんな訳で、シェナンドア渓谷を通ってゲティスバーグからワシントンへ回り込むと言うのは至難の技なのでした。
さらに問題なのが、そもそもリスクを犯して実施する動機がないことです。本ゲームは北軍の勝利得点しか議論しません。なので、南軍が北部都市を取っても勝利得点が動きません。影響があるのはワシントン奪取によるサドンデスと、北部侵入によるカード取得だけです。ボビーの主力スタックが危機に晒されるリスクに見合うのはワシントン陥落くらいのものですが、それは上述した通り至難の技。そうなると、人的資源が苦しい南軍が東部戦線で消耗戦をする理由はほとんどありません。むしろ、リッチモンドは要塞で守って、ボビーには危機に陥っている西部戦線のチャタヌーガで活躍してもらう方が有力に思えます。この、ボビーを西部戦線に回すのが作戦的に有力と言う問題は、「プライスオブフリーダム」にもありました。