茨城会:マンシュタインの後手からの一撃を対戦プレイする

 1年8か月ぶりに茨城会に行きました。

 カーナビの設定履歴で探したら、すっごく深い所に在って往生しました。設定してしまえば道に迷ったりはしないのでカーナビ様様です。

 TTTシステムの第4作として本命の第三次ハリコフ戦が出ているので、これは‥という話しはこちらに書きました。

bqsfgame.hatenablog.com

 もう15年も前ですが、当時でも本作はコケたという評価が確定していたようです。

それを今になってやるのは筋が悪かったなと事後ですが反省しております。

 まずルールが無駄に長すぎます。

 TTTのコマンド版のルールは正味6ページでした。

 ところが本作の篠原和訳は、シリーズルールが17ページ、専用ルールが23ページ、これにチットの説明が2ページで、合計42ページ。

 何をどうしたらルールの長さが7倍にもなってしまうのかと絶句します。

 シークエンスが複雑で、ダブルインパルスの系譜に則っていますが、それに加えて両軍それぞれの一般フェイズがあります。

 さらに、通常のシュヴァープンクトフェイズで、移動と攻撃ができますが、1ユニットを移動するのに1アクションポイント、1戦闘を実施するのに3アクションポイントが必要です。さらに、ソビエト軍は二つの軍集団でもらえるアクションポイントを折半します。

 もらえるアクションポイントは概ね14ポイント程度で、折半すると7ポイント。それぞれの軍集団正面で1回戦闘すると3ポイント使うので、残りは4ポイントしかありません。つまり4ユニットずつしか移動できません。なので、戦闘する最前線以外のユニットを移動させることができません。

 結果として、ソビエト軍の量の威力と言うのを発揮することが全くできません

 一般フェイズにはアクションポイントなしで行動できますが、それぞれのユニットは移動と戦闘のどちらかしかできません。ですので、後方のユニットを移動させて前線に追いつかせるくらいの相場観です。しかし、これを先を見通して丁寧にやることが本作の肝というデザイン意図のようです。

 ドイツは同一師団でスタックすると、スタックで1アクションポイントで移動できるのですが、ソビエトにはそうした運用能力がありません。

 また、戦闘時に両者の戦術値を比較してチットを引く例のシステムですが、ドイツには同一師団でスタックすると+2戦術値という修整があって、これによってソビエト最強の戦車軍をも凌駕することができます。このため、ソビエトはドイツの師団効果スタックには歯が立ちません

 また、ソビエト軍軍集団司令部から12ヘクス以内でないと戦術値を使用できないという制限があるのですが、軍集団司令部は1移動フェイズに1ヘクスずつしか前進しません。ですので、戦線が急激に動き出すと軍集団司令部は置き去りになり、戦術値はまったく使用できなくなります。

 そんなこんなで、ソビエト軍はできないことが多くて、まず先手を取ってハリコフを奪回することができる気がしません。なので、マンシュタインの後手からの一撃もタイトルに反して実現しそうな気がしません。

 と言う訳で、改めて自分でやってみて、これでは世評が盛り下るのも無理はなく、シリーズが此処で打ち切りになってしまったのも止むを得まいと強く感じました。

 評判の悪いゲームには、やはり悪い理由がちゃんとあったのだというお話しです。

 きっと、このシリーズはもう出ないのでしょうね。

 GMTが殺した人気シリーズの一つとして記憶しておきましょう。

 ダーク・ブレンマンは、GMTに訴訟を起こしても良いのではないかと思います。証人として出廷してあげたいくらいです(嘘)。