○ブラックアウトを読む

bqsfgame2015-03-04

コニー・ウィリスです。
銀背の二段組みなのに、760ページもあります。しかも、話しは途中で終っていて、オールクリアに続くとなっています。
困ったものです‥(^_^;
例によってリーダビリティは高いので、760ページと言っても過負荷に感じたりはしません。とは言え、例によって物語の前半では次々に悪いことが起こって主人公たちが追い詰められていき、本書はその前半部分しかありません。ですので、異常な焦燥感に追われ続けたままフッツリとページが終ってしまいます。そんな訳で、本書だけで評価すること自体が無理なのですが、一応、この段階では○にしておきました。
本書は、ダンワージー教授ものの最新作で、行き先はウィリスがもっとも得意とするバトルオブブリテンです。一人は空襲下のロンドン生活を見るためにロンドンの百貨店に、一人は疎開児童の暮しを見るために中部イングランドに、一人は戦時の英雄を発見するためにダンケルク撤退戦へ。
ところが、それぞれに到着時に大きなズレが発生して予定の調査は上手く運びません。そうこうしている内に、21世紀とのネットが開かなくなる。それぞれ自分のネット固有の問題かと思い、同時期にタイムトラベルしてきている友人を探してロンドンで合流するまでで760ページが終ってしまいます。信じられない展開の遅さと言うか、あまりにじっくりと腰を据えて踊らない筆致に感服してしまいます。
でも、この後、一体、どうなるんでしょうね? 上記の3人の主人公以外のタイムトラベラーも説明不十分なまま出て来て、どういうことになるのかを考える上で、さらに混乱の拍車を掛けています。