閑話休題

で、普通なら全巻読み終えてから感想を書くのですが、実は1冊が文庫本2冊くらいのボリュームです。それが5冊もあるので、読み終わる頃には最初の頃のイメージは消えてしまうでしょう。ですので、間に他の本も挟みながら読むとして、1冊ごとに感想を書くことにしました。
第1巻は、主人公の紹介から始まります。司政官制度は末期を迎えており、司政官としての教育を受けても赴任先のない待命司政官が多数派を占める時代になりました。主人公もその一人ですが、是非とも担当惑星を持ちたいと強く願う少数派の待命司政官です。
ある日、彼の所にまさかと思っていた担当惑星への赴任命令が来ます。その赴任先は、なんと自分の出身惑星タトラデンだと言うのです。
そして、通常の司政官の任務と異なり、今回の任務では当該星域のブロック化の動きを妨害すると言う秘密任務を背負っての赴任だと言うのです。司政官制度ばかりでなく、連邦も制度疲労を起こしており、各地では星域ごとにブロック化して連邦から独立した地方行政権を強める動きが顕在化している時代だと言うのです。
第1巻は、担当惑星に赴任し、そこの調査と称して舞台紹介をしている内に終わってしまいます。しかし、タトラデンが少数の名家に支配されていること、その中でも有力なジェクト家と司政官に少年時代の繋がりがあることが説明されます。他にも後々の物語の中で役割を担いそうな複数の現地人物が紹介されます。
司政官側は調査の域を出ていませんが、現地側は現地出身の司政官の着任に当って、様々な思惑を持って動き出している気配が随所に感じられます。
amazonのレビューにもありましたが、読んでいて諄い部分があります。1冊の本と言いながら、連載で29回分を纏めたので、設定や人物紹介が回が改まる度に繰り返されるのは致し方ありません。それとは別に、司政官の独白体で書かれていますが、本巻の範囲では調査の範囲で、しかも色々と警戒しながら人々と接しているので、割と鬱陶しい独白が多いのも事実です。
物語が動き出してからが真価を問われるので、早めに2巻に取り組まねばと思っています。