大味であることは否定できないが荒唐無稽ではない

なにせレッドドラゴンシステムですから、大味であるのは否定しようがありません。1ターンに1個しかアクションできないゲームで、全体がバランスよくヒストリカルに進行するわけもなく。
ただ、実際に対戦してみた感想としては、意外にちゃんとしていると思いました。枢軸軍視点で言えば、リビア制圧と言う勝利条件からトリポリを出発してベンガジからトブルクへと進みます。これを実現するために北アフリカに補給ポイントを海上輸送してやります。そのためには制海権、制空権が問題になり、特に制空権に関してはクレタ島の重要性は大きくマーキュリー作戦の成功は必須と感じます。逆に連合軍側からすると、イタリア海空軍に好き勝手されないためには、マルタを維持する必要があります。
また、大きなマテバラとして毎ターンの補給ユニットの補充数が連合軍の方が一つ多くなっています。これに加えて、枢軸側は補給ポイントを海上輸送するための追加アクションに平均して毎ターン1個を消費するので、結局、2つ分くらいの差がある実感です。結果として、中盤以降、リソースのトータルバランスで連合軍に押され始める感じは良く出来ています。
そうした大枠の構図が史実に沿って機能しているので、大味なゲームシステムであるにも関わらず荒唐無稽な展開にはなりにくそうに思えます。もちろん1回対戦しただけでは見えない奇策があるやも知れませんが。