選択ルールの採否と戦闘の相場

今回の対戦では、選択ルールの中から退却ルールだけを採用しました。これは、陸戦の防御側は退却によって各ユニット1ヒット分を相殺できるというものです。
レッドドラゴン系の戦闘システムは、「インペリウム」と同じで目標ユニットを決めてダイスを振り攻撃力以下ならヒットと言う単純かつブラッディーなものです。あまりにブラッディーな印象があるので、それを緩和するために退却ルールを採用しました。
それはそれで良かったのですが、結果として少し歪が出ました。陸戦攻撃では退却されてしまい捕捉しきれないのですが、実は空爆や艦砲射撃では相手は退却できず撃破しやすくなります。
結果として、空爆の効果が相対的に上昇し、特に枢軸軍のJu88爆撃機が猛威を揮う展開となりました。そこは、なんか変だなと言う感想になりました。とりわけ航続距離が長いために、南イタリアからトブルクまで空襲を掛けるようになると、これはちょっと架空戦記な感じがありました。同様に、マルタ降下作戦に対して、英軍のウェリントン爆撃機がカイロから迎撃に飛んできたのも、いかがなものかと思いました。
また、ルールブックと盤上の地形効果表で、空港の駐機ユニット制限が違うのが問題になりました。盤上の制限は非常に厳しく、結果として駐機できないユニットがはるか後方に配置されてしまいます。これは変だということで、ルールブックの甘い方を使用しました。ところが、レッドドラゴンシステムでは、1アクションで1エリアの部隊を活性化するので、駐機制限が甘いと空襲任務に投入できるユニット数が増えます。これが爆撃の効果を高めてしまい、前述の退却の影響と相乗作用して爆撃機優位のゲームになってしまいました。
個人的な感想としては、北アフリカの装甲機動戦のアウトプットを見ると、ブラッディーに見えても退却ルールはない方が良いのではと思いました。
また、爆撃機については、選択ルールの出撃後整備チェックを導入した方が良いのではないかと思いました。敵の対空砲火が強ければ、損耗によって自ずと波状爆撃は制限されます。しかし、対空砲火の強い部隊を先に粉砕してしまうと、後は波状爆撃は補給ポイントさえあればやりたい放題に近くなります。これは解消しておいた方が良さそうです。
Ju88の猛威とともに、枢軸側から見て異常に強いと思ったのが「ウルトラ」です。
これは、ドイツ軍が解読不能と誇ったエニグマ暗号を連合軍が解読していたことを反映するイベントチットです。ただ、使っても50%の確率で保持でき、そうでない場合もチットプールに戻って除去されません。実際には、連合軍はエニグマを解読していることを逆探知されるのを恐れて、解読情報の利用は極度に制限していました。こんなに何度も使えるような効果はなかったのではないかと思いました。