クレタ島降下作戦や、マルタ要塞の重要性は、本テーマに関心のある人なら良く知るところです。けれども、それが北アフリカにどう影響したのかを具体的に「見える化」しているゲームはありません。本作はそこが焦点になっており、一定程度成功しています。結果として、実際に起こったマーキュリー作戦だけでなく、実施されなかったヘラクレス作戦も扱われています。
さらに、ゲームスコープがエルアラメインまででなく、その後のロンメルの撤退期間もカバーしています。このため、トーチ作戦も入っています。そして、トーチが入っていることでマップがジブラルタル海峡を含んでいることから、フェリックス作戦も扱われています。
東側に目を転じれば、シリアから、イラクまで含まれており、イラク反乱や、ヴィシーフランスのシリア放棄まで扱われています。勝利条件へクスのリストに、ダマスカスやモスルが入っているのには、驚かされます。
そうしたことを踏まえて、本作こそは「ザ・地中海ゲーム」と言って良いのではないかと思います。
