懐かしの昭和プロレス:繋ぎの王者:アンドレ

bqsfgame2015-07-09

アンドレ・ザ・ジャイアントが、当時世界最強の一人だったことは衆目の一致する所と思う。しかし、あまりに圧倒的である存在に王座を回すと、次の展開がなくなってしまうので、意外に王座は回してもらえないものだ。
プロレスが興行としての継続性を維持しなければならず、それは格闘技と言う建前よりも優先する(笑)。
そのアンドレが一度だけ世界王者になったのが、1988年2月。ニューヨークの絶対王者だったホーガンが王座5年目に入った頃だった。当時のファーストコンテンダーは、トップヒールだったミリオンダラーマン:デビアスである。そのデビアスの送り込んだ代理刺客としてホーガンに「ザ・メインイベント」で挑戦したのがアンドレだった。ホーガンを不完全な体勢からフロントスープレックスで投げ捨てて覆いかぶさり3カウントを奪った。
騒然とする会場、勝ち名乗りを受けたアンドレにすかさずエプロンから現金の入ったトランクを持って忍び寄ったのはデビアス。何事かアンドレの耳に囁きかけてトランクを渡す。
そして、マイクを持ったデビアスは宣言した。
「取引が成立した。WWF世界王座は、わたしが買い取った!」一斉に巻き起こるブーイングの中、脱兎のごとく会場を抜けだすテッド・デビアス
数あるWWFの名シーンの中でも一際有名なエピソードである。
結局、この王座売買は無効とされ、王座を売却したアンドレは王座剥奪。改めて王座決定トーナメント開催と言う運びになった。かくて、世界の大巨人は一夜の世界王者に終ったのである。