ＤＶＤボックスとかではなく、「麒麟の翼」公開にタイアップしてＴＶで放映された３夜連続の最初の２夜分です（３夜目は赤い指）。
ダイジェストなので価値が低いと見る人（たとえば家内）もいるようですが、通してみた感想としては意外なほど違和感なく見られます。これで十分なのではないでしょうか？
新参者は、殺人事件の捜査を描いていますが、その過程で下町の魅力を描くのが本分という独特の作りになっています。第一話の煎餅屋から料亭、瀬戸物屋、時計店、洋菓子店、小間物屋など、様々な下町の商店街の人々が登場してきます。
ミステリーとしては、真犯人が画面に登場してくるのが遅いこともあって、犯人探しには力点がありません。ですから、誰が、なぜ、どのように殺したかを推理するものではありません。でも、ドラマとしては本当に良く出来ていて、犯罪の真相に関係のないゲストたちが魅力的なのが命綱です。
平均視聴率１５％は、クール内で３位でしかなく、爆発的にヒットしたとは言えないのですが、記憶に残るドラマだったと思います。
特にクライマックス間近の第８話で、「刑事の息子」なんていう捜査本線とも下町風情とも無縁のエピソードが入っていたりする脚本のゆとりは凄いなと思いました。
