○中継ステーションを読む

bqsfgame2016-02-20

クリフォードDシマックの代表作。
最近、新訳版が出てきたので、旧約版を発掘してきて読み直した。
ざっくり言うと、ウィスコンシンの片田舎に銀河系の転送ネットワークの中継ステーションがあって、そこを南北戦争従軍経験のある老人が管理しているという話し。
なんで、そんな人が今でも生きているかというと、中継ステーションの中では老化が進まないからです。
ただ、100才を越えて生きている人がいるとなれば、興味を持つ組織が現れるのは当然です。
また、中継ステーション滞在中にエイリアンが亡くなることも長い歴史の中ではありました。その時、彼はエイリアンの求めに応じて地球式に埋葬しました。
で、興味を持つ組織が、その墓に何が埋まっているか関心を持つことになり‥。
この墓暴きが、なんと地球の命運と銀河の陰謀を巡る大事件に‥。
そこから後は、往年のジュブナイル並みの展開です。しかし、それが安っぽく見えないのは、シマックが持つウィスコンシンの原風景と、異星感あふれるエイリアンたちの成せる業です。
うーん、さすがはシマック。
読み直して見て思ったのですが、どうして新訳に訳し直す必要があったのかなと思いました。船戸牧子訳で良かったのではないかと思います。新訳するより、なにか未訳作品を新しく訳して欲しかった気がします。シマックは、かなり未訳が残っているはず(Wikipediaによると20)ですから。なにか権利関係でもあったのでしょうか?