☆ペンギンハイウェイを読む

bqsfgame2017-10-08

再読です。最初に読んだ時の日記が消えてしまっています。間違って上書きしてしまったようです。で、再読しました。
ファンタジーノベル大賞作家の森見作品。
読んでいて思うのですが、非常にスマートに書かれた日本版「少年時代(マキャモン)」という感じでしょうか。
町外れで目撃されたペンギンの群れ。歯科助手の不思議なお姉さん。そして、中盤から登場してくる怪生物ジャバウォック。
そしてなにより、森の中に浮かび周期的に膨張と収縮を繰り返す不思議な液体球、「海」。
そうした不思議に囲まれた主人公と友人たちの一夏の物語です。
で、最後にはそれらの謎は全て繋がっていて、一つの摂理に従っていることが判ります。

以下

ネタバレです。

ご注意ください。

ペンギンも、ジャバウォックもお姉さんが作っていたのです。お姉さんが体調が良いと昼間にペンギンを作ります。しかし、ペンギンは海を壊してしまうので、海は収縮しお姉さんの体調は悪化します。そうすると、お姉さんはペンギンを作れなくなり、代わりに夜にジャバウォックを作ってしまうのです。ジャバウォックはペンギンを丸呑みにしてしまうので、ペンギンは減っていきます。すると、海は再び膨張していくのです。
とまぁ、不思議なことが、不思議な摂理で繋がっていたと言う種明かしなので、科学的合理性がある訳ではありません。しかし、とても読後感の良い作品で、なかなかのものだと思いました。