×かがみの孤城を読む

bqsfgame2018-03-21

辻村美月の昨年の話題作です。本屋大賞にもノミネートされました。
そんな訳で、どうしても期待過剰になりやすく、結果として空振りに終わりました。
辻村作品を読むのは、
凍りのクジラ
http://d.hatena.ne.jp/bqsfgame/20150214
ゼロハチゼロナナ
http://d.hatena.ne.jp/bqsfgame/20150219
鍵のない夢を見る
http://d.hatena.ne.jp/bqsfgame/20150306
ハケンアニメ
http://d.hatena.ne.jp/bqsfgame/20150516
朝が来る
http://d.hatena.ne.jp/bqsfgame/20160204
に続いて6冊目ですが、久しぶりにガッカリしました。
なにがガッカリと言って、鏡の向こうの世界に行くというファンタジーな設定が、魅力的な異世界創出に繋がらず、不登校中学生が出会うための書割りの大道具のように見えてしまっていることです。
途中でパラレルワールド説が登場したり、結末の謎解きではさらに別の解釈が登場するなど、SF的な部分もあるのですが、同様に魅力的に映りません。
不登校児の心情を深堀りするのは、作者の作風に合っていると思うのですが、ファンタジーにする必要はなかったのではないかと思いました。ファンタジーにするなら、ファンタジーとして魅力的に描いて欲しいと思いました。