久々の名人戦七番勝負です。
なぜ、今になって第２６期？‥と言う感じでしょう。
この期は、林海峯先生が名人戦勝負に出てきた最後の期になります。林先生の熟年期の打ち碁を見たいと思って、遅蒔きながら購入して読みました。
受けて立つのは第２５期に趙治勲名人をストレートで破った依田名人になります。
まず結果ですが、依田名人が４勝２敗で初防衛を果たしました。
ただ、読んだ感想としては、依田名人の強さを感じる部分が少なかったです。むしろ、優勢を意識して固く打つのを通り越して緩む場面が目立ったり、勝負強くない感じを受けました。
逆に、特に最終局では、林挑戦者の積極的な仕掛け、その失敗による劣勢を良く辛抱する場面、貯えた力を爆発させた強手など常にイニシアチブを握っている印象を強く感じました。残念ながら、（依田名人とは反対に）形勢を悲観して無理をしたことで勝てる碁を落としてしまい、５９才の名人復帰には至りませんでした。
二枚腰の若手時代とは違う林九段の碁を見るという目的は達しました。
