毎年恒例です。
例年は華やかな着物姿の女流棋士が並ぶのですが、今年は仲村菫初段と、芝野虎丸二冠のガチ対局でした。
最終的には芝野二冠が勝利しましたが、途中では黒(仲村)が良さそうな場面もありました。大いに盛り上がりました。
囲碁【仲邑菫初段対芝野虎丸王座解説】【新春囲碁スペシャルマッチ】 - YouTube
序盤では左辺への打込みに手抜いて下辺に打ち込んだ芝野二冠に対して、仲村初段が左辺を飛んだ手(二十一手目)が機敏で有力と思いました。ここで一本取ったように思います。それにしても両者とも相手の手に対して手抜くことが多くて、昭和のオジサンには難解な碁でした。序盤戦を解説した小林覚理事長も上手く解説できずに大苦戦でした。しかし、バトンを受けた平田君はほとんど芝野二冠の着手に違和感がなかったと言いますから、若い世代は我々昭和世代とは全然違う常識・感覚の共有ができているようです。
その後の左上の分かれは、昭和的には序盤に中央付近でポン抜いた黒が良いかと思いましたが、芝野二冠は白地が十分と言う判断だったのでしょう。ここら辺も、昔の常識は今の非常識なのかと恐ろしくなりました。
右上隅の6子を捨てるに至って黒が悪くなったかと思いましたが、盤面右下1/4の百目を纏めようかと言う大模様大作戦に転換。もしかしたら、これで黒が良かったのではないかと思います。そうだとすると右上の石を白は取ったのではなく取らされたのか?
白が侵入してくるのに対して、取られたような顔をしていた上辺の二子を担ぎ出した99手目には大いに驚きました。これが芝野二冠の動揺を誘ったのか、黒が右下の大模様で勝負にしたかに見えました。
ところが手順の間違いがあったようで模様に侵入された上に左辺をもぎ取られてしまい、勝負手で上辺の白に襲い掛かることに。この辺りはドキドキのクライマックス。
しかし白を取ることはできず、最後は左辺、左下と手を求めますが、冷静に戻った芝野二冠が受けきって仲村初段の投了となりました。
碁の内容も面白かったですし、若い世代の囲碁感覚の違いを顕著に見せられた点で衝撃的でもありました。
小林覚理事長だって、まだまだ現役で活躍しているのですが、それが新世代の感覚に付いていけていないのもビックリです。
AI系の新しい囲碁を勉強しないといけないのですね。