準々決勝です。
第1週は本木八段と一力棋聖。解説は八段解説衆の最後の一人(?)鈴木伸二八段でした。本木八段の碁が好きなので応援していましたが、いま充実している一力棋聖には盤石の構えで押し切られました。解説は、八段解説衆はみんな合格点以上の出来栄えで解説してくれるので信頼感あります。
第2週は、芝野名人と河野臨九段。NHK杯で芝野名人の強さを感じさせる棋譜を見た記憶がなかったのですが、この時は非常に順調にリードを広げていき盤石の勝利でした。解説は安達七段でしたが、無難にこなされていました。
第3週は、井山、山下戦です。今となっては重鎮対決と言って良いでしょう。解説も重鎮と言って良い関西総本部の山田九段。
83局も打っていてダブルスコア以上に井山が打ち込んでいます。山下九段は挨拶で顔も見たくないとコメントしていました。山田九段が気持ちはわかりますと同意していたのが印象的。
その山田九段ですが、中盤で黒が白を切断する手段があると指摘し、大盤でやってみたら星合さんの受けを見て「あっ!」変形のタケフみたいな筋を見落としていたという見損じでした。それを見た星合さんの「いいリアクションをありがとうございました」というのに苦笑いして、「いやあ、よくあるんですよね」とコメントされていました。
いつも勝ち碁でも緩まず最強を追及する井山が、終盤に入った所で意外に安全運転をしたのが珍しいと思いました。山田九段は「負けてる方としては、とりつくシマがなくて困るんですよね」との解説。そうですよね。
第4週は、女流棋士初のベスト4を目指す藤沢が名古屋の志田と対戦。
段平は抜かずに後半勝負に持って行ってヨセ勝つタイプ同士の対決とは、解説の三村九段。その通りの穏やかな進行かと思われましたが、終盤に左上で藤沢がカケた手をやりすぎと見た志田が愚直に出切って力を出し、最後は両者の大石が切断され無事には終わらなくなってしまいました。結果として攻め合いとなり志田が決行した判断が正しいことを証明して中押し勝ち。
三村九段も志田九段の意外な豪腕に大石を取られたことがあると語っており、この結果はフロックではないようです。
三村先生はかなり丁寧に解説されていましたが、最後の局面は急迫して複雑になったのでちょっと解説が追いつかなかったでしょうか。そもそも大石の攻め合いのような碁ではAIの形成判断は役に立たないので、解説者に頑張って欲しかったのですが少し残念でした。