イギリスのローズマリ・サトクリフのブリトン・ローマン4部作の第1作、図書館。
ブーディカ対戦に向けて、図書館になにか適当な資料がないかと検索したら引っ掛かってきました。
岩波少年文庫ですが、リーダビリティは少年文庫にしては重い感じです。
本作は2011年に映画化されたこともあるそうなので、それなりの知名度のようです。TVシリーズもあったらしい。
ブーディカの鎮圧に参加した第9レギオン、ヒスパナは、その後、ブリタニア駐屯となったそうなのですが、忽然と記録が途絶えてしまいます。
本書では、第9レギオンは、さらなるブリタニアの反乱に敗れてしまい、その象徴であるワシはカレドニアの奥地へと持ち去られたという設定を使っています。
主人公は同師団のナンバー2の息子で、父の汚名をそそぎ軍団を再興するためにカレドニア奥地へと冒険してワシを持ち帰ろうとする冒険譚です。
少年文庫の冒険ものにしては、いささか読みにくく、結末にも爽快感がありません。
ちょっと期待していたものとは違ったので、思い切って×にしました。
本作は四部作の劈頭なのですが、このくらいの出来栄えなら後はもういいかなと思いました。
ただ、ケルトの祭祀の様子など非常に詳細な描写がされていて、そこらは読み応えがありました。さすがに地元の人が良く調べて書いているので、そこは日本ではなかなか得難い知識なので貴重ではありました。