前回の京伝と蔦重が決裂するシーンからです。
京伝にむかって、「日本橋を敵に回して書けると思うなよ」と言い放つ蔦重。なんと、蔦重らしくないことか。蔦重に日本橋全体を仕切る力があるとも思えず、空脅しに近い感じです。
案の定、鶴屋に相談に行く蔦重。鶴屋は、「かつての自分のように本屋連を敵に回して立ち上がるものを蔦屋さんが潰しにかかるとは‥」と冷ややかです。
「おいらの時みたいにやって(排除して)くださいよ」と泣きつきますが、鶴屋は「考えてみましょう」とだけ言って是とも非とも明らかにしませんでした。
店の裏側の歌麿とおきよの部屋では、おきよが床に伏しています。前回から気になる足の発疹ですが、医者は瘡毒(梅毒)だと言います。いつごろ治るかと問えば、あの状態だと治るかどうかは判らないという答えが返って来て歌麿は蒼ざめます。
鶴屋の仲立ちで、蔦重は再び京伝と会い一応謝罪します。鶴屋は、毎年30両の固定給で日本橋の専属になってくれと持ち掛けますが、京伝は蔦重の顔を見ながら、その話しは鶴屋さんとだけでいいですかと言い出します。だから、謝ったじゃねぇかと切れてしまう蔦重。
一方、定信から本屋連に対して、新刊の発行は罷りならぬというお触れが伝わってきます。地本問屋が集まって、蔦重に原因があると詰め寄ります。新刊なしで、既刊の増刷だけではとてもやっていけないからです。
蔦重はお触れにある、新刊を出す場合は相談に来ることという一節を逆手にとって、日本橋の本屋総動員で新刊原稿を奉行所に持ち込んで「お改めを」と申し入れて奉行所を過負荷にしようという作戦を思いつきます。
この作戦に奉行所は早々に根を上げますが、定信は「では、改め願いは本屋一軒ごとに年一回までに限ることにせよ」と断固応戦してきます。
ともあれ、改めようの草稿を量産するのに日本橋は一体となり、その中で京伝も自分も書きますと言って一応の仲直りとなりました。
そんな本屋衆の集まりに駆け込んでくるみの吉。おきよが亡くなったが、歌麿がまだ生きていると主張して遺骸を処理できないというのです。蔦重は自ら歌麿に説き、歌麿の肩を抱いて「今の内に亡骸を運び出せ」と指示します。歌麿の短い幸せでした。

おきよを演じた藤間爽子さんのクランクアップです。
さて、長谷川平蔵(大富豪同心)は、定信に呼び出され、人足寄場の整備を命じられます。無宿人や、犯罪者をまとめて面倒を見ろと言うのです。さしもの長谷川もイヤな顔をしますが、父からの悲願である奉行就任がその先にあるかもと言われ、やむなく引き受けます。
長谷川が要職についたのを見て、倹約令で閑古鳥が鳴く吉原は平蔵を接待して、吉原に便宜を図ってもらおうとします。駿河屋(高橋克実)は袖の下を出そうとしますが、平蔵は「そんなものは受け取れん」と断り切り、かつて出資した入銀本の返却と利息だけを受け取ります。
それにしても日本橋も吉原も窮地が続いています。
残り10話で、どこへランディングしていくのでしょう?