べらぼう 第39話 白河の清きに住みかね身上半減を見る

 最終回へ向けてラストスパートです。

 おきよが死んでから抜け殻のようになった歌麿を見守るというより見張る蔦重とおつよ。店に戻ると、鶴屋が奉行所と擦り合わせて自本問屋株主会による自主検閲の仕組みをまとめたと聞きます。

 黒助稲荷曰く「こんなものはザルです」というのですが、それでもちゃんとやっていることを見せなくてはと色本の類いは自主規制しようという話しになり、蔦重はその枠を目一杯に解釈しようとぶつかります。

 そんな折に、歌麿が栃木の豪商の肉筆襖絵を描きに栃木へ行くと言い出します。

 引き留めようと直接話すと言うと、おつよに自分のために話したいだけなら止めた方がいいと諭されます。

 自主規制が軌道に乗って来たかに見えたある日、奉行所が耕書堂に改めに来て、蔦重と山東京伝は捕縛され、京伝の三作品は絶版の指示を受けます。

 地本問屋組合では、どのくらいの罰になるのか、耕書堂だけで済むのかなど話題になりますが、定信が田沼派を徹底的に叩きたいという思惑がどれほどか読み切れません。

 お白州には定信自身が登場し蔦重に、該当作品は好色本か教訓本かを議論します。定信はそれを決めるのは自分だと言い切ります。

 それに対して、魚は澄んだ水より濁った水を好むと蔦重は言い募ります。そして、巷では近頃は、白川の清きに魚住みかねて、元の濁りの田沼恋しきとどの輩も言っていると言ってしまいます。

 これに激昂した定信は蔦重を拷問することを決意します。

 この話しを伝え聞いたおていは、もうこれは打ち首だと失神します。なにか出来ることはないかと長谷川らと話して、厳罰は朱子学の原理と相容れないという所に定信側の矛盾があることを感じ取り、定信の教師である栗山に直接、談判することにします。

 二週間以上にわたる拘束の末に言い渡されたお裁きは、身上半減でした。聞いたこともない処分ですが、要するに耕書堂のあらゆる資産を半分にするという裁きです。

 京伝は手鎖50日という裁きでしばらくは書けなくなりました。

 ともかくも出てきた蔦重に、須原屋が「書物問屋の株が開いていたから押さえて置いた」と告げます。「今は時期が悪い」と言う蔦重に、おていが「買ってください」と言います。

 身上半減が実行され、店の在庫の半分、資金の半分などが没収されるばかりか、看板から暖簾から本の品書きまで寸法を測って半分に切って持って行かれます。

 本屋にとって一番大事な板は、問題の書籍や、売れ線の本ばかりを狙って持って行かれます。

 この看板が半分になった様を、太田南畝が見物に来ます。

 それを受けた蔦重は、「世にも珍しい身上半減の店」という看板を上げて、それを見世物として客集めすることを思いつきます。

 その話しを水野為長から伝え聞いた定信は、「身上半減の重さはこれからわかってくるであろう」と予言します。

 長谷川平蔵は、葵小僧を名乗る賊が市中を騒がせていることを報告し、定信は捉えて極刑にせよと指示します。

 しかし、捉えた後の評議で、かつての腹心、本多忠箒は「倹約令や風紀の取り締まりは切り上げられるべきかと存じます」と意見するに至ります。