テュロスをソロプレイ

bqsfgame2006-01-09

テュロスをソロプレイしてみた。
ソロプレイした時点での感想としては、正直あまりパッとしない。
リベルテ」ではアブストラクトなゲームシステムながら、フランス革命の歴史的な流れを感じさせることに成功しており、下手なヘクスウォーゲームより余程ヒストリカルシミュレーションだと感心させられた。
この「テュロス」にもその片鱗はあるのだが、プレイしたときのゲームとしての面白さにリンクしていない懸念を感じる。フェニキア人は古代海洋民族で、貿易を旨として自身では土地に執着した帝国を築かなかった‥というのが非常に雑な当方の理解(都市国家テュロスや、カルタゴもあるが‥)。それをモチーフにしたゲームなので、帝国はプレイヤーが拡大を方向付けはするがどちらかと言うとノンプレイヤーのイベントみたいな扱いになっている。プレイヤー自身はフェニキア人として、そうした帝国との貿易に励み、航路の確保や、港湾都市国家の成立をして点を稼いでいく。最終的な得点は終了時に強大な帝国と貿易を結んでいることであるので、間接的に帝国の帰趨は反映され十分に重要である。
この辺のゲームのメカニクスは、いかにもフェニキア文明らしさを出そうとしてるので好感が持てる。この辺のヒストリカルシミュレーション的なゲームデザインセンスが、単にモチーフをゲームの装飾にしか使っていないデザインとの差で、個人的にワラスを高く評価したいところだと思っている。
しかし、残念ながらソロプレイした感じでは、この歴史的なフレーバーを反映したメカニクスが、ボードゲームとしてプレイして面白く機能しているかどうかという点では「テュロス」は今一つのような気がする。対戦してみて最終的には判断したいところだが、やや気勢を削がれた印象は免れない‥(^_^;