○ソウルイーターを追えを読む

bqsfgame2006-02-15

1981年のマイク・レズニックの長編。レズニックがSF分野を本格的に書くようになった最初の作品と言っていいかもしれない。60年代に3作品を書いているが、この81年の「ソウルイーター」以降、コンスタントにかなりの量のSF作品を書くようになっている。
端的に言えば、幻の獣を追う宇宙狩猟SF。長編と言うよりは長めの中篇と言った感じ。ストレートな狩猟ストーリー、レズニック的などこか英米SFとは思えない異世界感。丁度、先日読んだゼラズニイの短編集にあった太公望SFや、登山SF短編と似た印象を与える。
レズニックの後年の傑作(アイヴォリー、サンティアゴなど)と比べると完成度という点ではまだまだ。ただその片鱗は窺え、手軽に読めるので一応の合格点ではあると思う。新潮文庫からはもう一冊、「暗殺者の惑星」が出ているので次の機会に読みたいと思っている。