☆光の王を読む

bqsfgame2016-04-18

ゼラズニイヒューゴー賞受賞長編。
「わが名はコンラッド」、「ドリームマスター」に次ぐ第3長編で、1967年の作品。
http://www.iblist.com/author59.htm
ゼラズニイの傑作は少なくないが、総合的に考えると最高傑作は本書なのではないかと言う気がする。
ただし、470ページと言うボリューム、説明抜きのインド神話用語満載と言った事情があって、リーダビリティ的に苦手な人もいるかも知れない。そういう意味で、万人向けに推しにくい部分はある。
背景にはSFらしい設定がしっかりとあるようなのだが、作者はそれを説明することに固執していないので、非常に判りにくい。
むしろ、ゼラズニイが書いた新版インド神話と言ってしまった方が良いくらい神話に近い作りになっている。そして、それこそがゼラズニイの個性なのだが‥(^o^)
また、一人の女を巡る二人の男の物語と言った側面もある。もちろん、カーリードルガーを巡る、マハーサマートマン(サム)と、ヤマダルマである。
その他の神々も魅力的で、特にアグニ、ルドラ、クベラ、ラートリー、リルドなどは非常に良い。
神々という範囲に入れて良いかどうか判らないが、ターラカー、ニルリティなども魅力的に描かれている。
登場人物録としてはこちらが詳しいので、読んでいて人物が混乱する人は参照しながら読むのも良いかも知れない。
http://kaimei.ch/read/external/hikari_o
画像は何にしようか迷ったが、アグニにしてみた。