○星の書を読む

bqsfgame2006-03-20

「川の書」に続く黒き流れの第二部。
「川の書」の最後では、この世界にはゴッドマインドが地球から植民船を送り込んだことが示されるが、本書ではなんとその地球に行くことになる。
ヤリーンは戦争の事後処理の中でエドリック博士に殺されてしまい、カ空間を通じて地球へ。そこで、ゴッドマインドの陰謀を暴いて暴動を煽動したとして、今度は月へ流刑に。実は、月こそは活力のあるアウトサイダーたちを集めて植民船で送り出している基地だった‥という展開。
そこで、ゴッドマインドが植民船を送り出して、そこからの魂のエコーバックを集めて魂のレンズ効果を利用して今度は銀河の魂を焼き尽くそうとしているという話しに。それを防ぐために月で一計を案じ、ヤリーンは再び死んでカ空間を今度は故郷へと戻っていく。しかし、空間だけでなく時間も飛んだ彼女は、年の離れた妹として再生、再び過去に経験した「川の書」の顛末が再現されるように振舞う‥。
何のことやら要約してもさっぱり明解にならない気もするが、ともかくそんな奇想天外なストーリーである。
そして、川のワームと、ヤリーンは、本当にゴッドマインドの計画を阻むことができたのだろうかという懸念を拭いきれないところで終わる。となると、どうにかして再びゴッドマインドと戦うのが次の巻の展開となるのは必至なのだが、一体どういうことになるのだろうか?
率直に言って異世界ファンタジーとして世界の質感が魅力的だった「川の書」に比べると評価は落ちるが、そもそも別の本として評価することが無理なくらい密接に連続した物語である。しかし、それにも関わらず前の巻からは想像できないほど隔絶した展開となってしまっている。凄いことは凄いのだが誉めるべきか呆れるべきか‥(^_^;ウーム