ショートゲームレビュー:バトルクライオブフリーダム

bqsfgame2006-12-04

南北戦争のキャンペーンをプレイするカードゲームとして2002年にデシジョンから発売された。
戦場を表すバトルカードは別のデックになっていて、東部戦線と西部戦線に分かれている。マップに相当する地形的な表示はなく、北軍がいずれかの戦線を選んで任意の戦場を指定して攻撃をするようになっている。極端な話し、リッチモンドをいきなり選ぶこともできる。対して相手側は、カードに記されている条件に従って別の戦場でブロックをすることができる。この条件によって戦場の位置関係や戦略的な位置付けを示すと言う非常に抽象性の高いフレームワークを持っている。
通常のプレイカードのデックには、将軍カードと、スプリット式のイベントカードが含まれている。将軍カードはどちらかの戦線に配置し、それによってその戦線での戦闘でプレイできるカードの種類や枚数が決まってくる。スプリット式のイベントカードは、一枚のカードが3種類の機能にスプリットされており、バトルイベント、リソースイベント、スペシャルイベントなどがある。実際の戦闘解決は、上述の戦場選択で指定された戦場について、その戦闘に振り向けたコマンドポイントの枚数のドローをして、その手札からその戦闘に参加する将軍の条件の下でプレイできるイベントを交互にプレイしあうことで解決される。このイベントの結果として、自軍の攻撃力を増したり、相手の攻撃力を減らしたりして、最終的に両者ともパスになる時点までプレイしていく。最後に攻撃力が勝っていた側の勝利で、同点なら防御側の勝利になる。イベントの内容は結構な種類があり、相互作用もトレーディングカードゲーム的に複雑になっている。
たとえば攻撃イベントとして側面攻撃というのがあると、防御イベントには相手が側面攻撃を使用しているときだけに使える側面攻撃の回避というのがあるという具合である。条件が狭いカードは往々にして強力、いつでも使えるようなカードはそこそこか、強くてもカウンターされやすかったりするようになっている。
着想は面白いと思うのだが実際にプレイすると問題が二つある。
一つは、戦闘の時にコマンドポイントに相当するカードを一気に引くのだが、その枚数が往々にして6枚とか9枚とかに達する。これがスプリットカードになっているので、実質的には一斉にその倍くらいのカードを引いたのと同じ選択肢が振って来るのでプレイヤーの頭が消化しきれなくなる。
二つ目は、こうした大量の選択肢が用意された戦闘を一回解決するのにかなりの時間が掛かることである。1枚ずつプレイして、その度に局面が変わり、キャンセルの綾などが新たに生まれるのでプレイタイムが短くなりようがない。実際、ソロプレイすると戦闘を3回くらいやると結構満腹になってしまう。
キャンペーンではデックを2回りすることになるのだが、そこまでプレイするとかなり時間が掛かるのではないかという気がする。3時間くらいという目安が示されているが、熟練してカードを引いた時点でどんどん判断してサクサク考えずにプレイできる人同士でもないと無理だろう。