感想

三分冊の長大な三巻を読み終えたが、それにも関わらずこれは通過点に過ぎず呆然とするばかりだ。
リサのケイトリンへの疑惑の手紙から始まった五王の戦いは、その手紙の謎が解かれた最後のエピソードで幕を閉じる。
しかし、北の異形人の脅威も、海の向こうのデーナリスの動向も、依然としてまだまだこれからの状況にある。その意味では、本当の外敵とのウェスタロスとの戦いは第二部の課題であり、第一部はその前のウェスタロス内部の内戦の物語に過ぎなかったということになる。なんとも恐ろしく気の長い巨大な構造物であり、しかも本国では第二部を始めようと思ったら、途中のエピソードを書かないと不都合が多いということで4冊目は第一部と第二部の間の幕間だという話も伝え聞く。
一巻ごとに3年くらいのペースで来ているので、第二部が第一部と同じ規模なら本国での完結は8年後、日本での訳了は10年後といったところだろうか。
このままのヴォルテージで書き上がれば、完結時には完成度の点で世界最高のエピックファンタジーとなることだろう。しかし、物語はまだ半ばであり、予断は許さない気もする。期待して続編を待ちたい。