それでも野心は買える

最初に書いた通りで、実際にプレイできないゲームかも知れないが野心的な作品として評価することはできると思う。まず、国産シミュレーションゲームの黎明期の作品でありながら、海外シミュの真似でなく「オリジナル」を作ることに成功している点である。そして、豊かな物語の創出という試みも意欲的であり、当時の水準からすれば良く考えられていると思う。
デザイン陣は当時の慶応HQのメンバーのようなので、時間が湯水の如くある学生のセンスでデザインしており、また当時のシミュレーションゲームブームの状況を考えればプレイする層も学生を想定したのではないかと思う。そうするとプレイタイムが長大に掛かりそうなデザインと言うのも、あながち非常識とは言えない。ルールを読む限りでは破綻してどうしようもないと思われるところはプレイ時間以外には見つからないので、もしかすると何十時間も掛けて遊び倒すと一生語れるような青春の思い出ゲームになったのかも知れない。
もちろん社会人ゲーマーには到底無理なことだが‥(^_^;
そんな訳でわたしは散々文句を言いつつもこのゲームが嫌いではないどころか、結構、好きだったりするのだ。同じツクダの「司政官」や、エポックの「魔法帝国の興亡」もそうだが、日本ゲーム界の真にオリジナリティのある仕事の一つとして誰かが語り次いでやって良いのではないかと思う。
ただ、このへんどれも「プレイして面白いということ」を期待してはいけない作品ばかりかも知れないが。