逆説・日米経済摩擦:ビジネスウォーを再入手する

bqsfgame2008-02-27

アドテクノスのビジネスゲーム。
かなり以前にT中さんの家で、JAGAのW君、Tさんと4人でプレイしたときに爆発的に面白かった思い出の一作。にも関わらず手放してしまったのはリプレイアビリティ、プレイバランスなどいろいろな問題を感じたから。
それを今になって探して再入手したのは、結局のところ今に至るまで真にオリジナリティのある国産ビジネスゲームは、本作くらいしかなかったのではないかと思い始めたから。
難点を先に数え上げよう。
1:4人丁度でしかできない
2:しかも対面の2人ずつがペアを組んで戦うペア戦というのがブリッジの普及率が低い日本では馴染まない
3:プレイバランスが良くなさそう(1回しかやっていないので推測)
4:コミニュケーション制限が重要なゲームシステムなのでプレイ中に迂闊なことを話せず気を使う
まぁこのゲームが本作発売当時の日本のゲームシーンで需要を見出せなかったのは無理もないという気がする。
いまくらいユーロゲームのマネージメントゲームが受け入れられている時代であれば、もっと成功したのではないかと思う。しかし、当時はウォーゲーマーに向けてアドテクノスが「シミュレーションと言うのは戦争だけじゃなく経済もあるんだぜ」というメッセージを打ち出した印象だったが反応はさっぱりだった。500円で投売りになっていたり、福袋の常連だったりしたものだ。
だが、マーケティング的には失敗だったと目される本作だが内容は先進的で素晴らしい。良い点を数え上げよう。
5:オリジナルなゲームシステムを持つビジネスゲームの新規軸だった
6:プレイしたときに、同一会社の本支店間のコミニュケーション不全というリアルな問題を痛感させられる今に至るも希少な一作である
7:ルールの分量もそれほど多くなく、プレイ時間もビジネスシミュレーションとしてはリーズナブルな範囲に収まっておりプレイアビリティ良好だった
8:当時の日米経済摩擦という題材にアップトゥデイトな出版だった
というところだろうか。最後の8は既に隔世の感があるので今となっては「レッドスカイモーニング」などとともども時代の仇花だが、それ以外の利点はいまも残ると思う。
日本はイノベーションよりインプルーブメントが得意な国民だと言う印象があるが、ビジネスゲームの分野でも18シリーズや電力会社シリーズの日本を舞台にした拡張など質の高いものが作られている。しかし、真にオリジナリティのあるものとなると、なかなか思いつかない。その中にあって本作は貴重な、そして内容的にかなり優れた先達だったのだと改めて思い直している。
久しぶりに是非ともやりたいものだ。